もぐもく考

主に映画など、感想の日記です。

ゴードン=レヴィット初監督作品「ドン・ジョン」

映画「ドン・ジョン
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット長編初監督作品です。
 
最近では「風立ちぬ」の堀越二郎の英語吹き替えも担当してるらしい。
ハリウッドスターの中でもちょっと異質の存在感があって、大好きな俳優です。
 
俳優としては、緻密に考えて演技をしてそうなタイプなので
監督業もちょっと期待です。
 
 
マッチョでイケイケハンサムのバーテンダー、ジョンは
ポルノサイトや動画が大好き。
現実のSEXよりポルノの方が良いので、特定の恋人は居ません。
友達と夜な夜なクラブで女の子をナンパし、一夜限りの関係を楽しんでいる毎日。
ある日ゴージャスな美女、バーバラ(スカーレット・ヨハンソン)に恋をし
彼女と付き合うようになるが、ポルノ鑑賞を見つかり、咎められてしまう…
 
このストーリーだけではあんまり興味がわかず、
正直、劇場に観に行くのを迷ってしまいました。
 
 
クラブでバカ騒ぎするジョン
ポルノ動画を観て自慰するジョン
ジムで筋肉を鍛えるジョン
車を運転しながら罵倒するジョン
 
大体の女性は、こういう男性の行為、好ましいとは言えないですよね。
(筋トレは悪くないけど、おバカでマッチョな感じとか…)
 
でもバーバラのために、彼女が勝手に申し込んだ(!)夜間クラスに通い
ナンパもやめ、ポルノもやめよう(無理だったけど)と努力します。
 
 
夜学の同級生、年上のエスター(ジュリアン・ムーア)と出会ったことで、
物語にだんだんと違う側面が見えてきます。
 
エスターに「ポルノを観ないで自慰できる?」と質問され
自分自信の問題に気付くのです。
 
 
現実にも男性が女性にポルノムービー的要素を求めることは
結構(というかかなり)あるのではないでしょうか。
でもそれはファンタジーです。
映画のシンデレラストーリーと同じように現実的ではありません。
 
この映画ではポルノに影響された男性の恋愛観や
映画やセレブ、母親やもしくは女友達の影響なのか
完璧なライフスタイルに影響された女性の歪んだ恋愛観が
浮き彫りになってきます。
 
ジョゼフ・ゴードン=レヴィットのオリジナル脚本だと思うのですが
ポルノ大好き男からこういうテーマに結びつけるところが
意外でとても面白いと思いました。
 
 
男と女が“愛しあう”とは、どういうことだろう。
根底にそんなテーマを感じました。
 
 
「R15+」指定なのもあり、ポルノ動画もガンガン流れ、
なかなか女性にはエグいものがありますが
ラストは意外なほど、スッキリ、爽やかで
見終わると、なかなかいい映画だなあと思えました。
 
でも初々しいカップルには向かないですね。