映画 ダラス・バイヤーズクラブ (※ネタバレ含む)
2014年アカデミー賞でマシュー・マコノヒーが
主演男優賞を受賞した話題作です。
テキサス州ダラスの電気工・ロンはロデオが好きで
女と酒、賭博やドラッグにまみれた生活を送っていた。
ある日、仕事中の事故により病院に担ぎ込まれて、
HIVに感染した事を知らされる。
のこり30日の余命を宣告された彼は、病院に見放され、
仲間からも差別されつつ、自ら治療法を探そうとする…
1980-90年代の実話を元にしている話です。
マシュー・マコノヒー、いい具合にヤバイです。
王道的なハンサム顏だと思うんですが、
減量のお陰でガリガリの長身、当時は流行りだったのか
メディアムヘアーに口髭とドロップ型のサングラス。
かなり胡散臭いです。
メキシコの病院で一命を取り留めたロンは、実体験を元に
アメリカで無認可の薬をHIV患者へ売るビジネス、
「ダラス・バイヤーズクラブ」を始めます。
当時、認可されつつあったエイズの治療薬AZTは
副作用も多く、目覚しい効果が得られないどころか、
寿命を縮めかねない薬。
一方、ロンが提供する、アメリカで無認可の薬は
副作用も少ないものでした。
ロンの良いところは“公正”せず、そのスタイルが
いつまでも変わらないところだと思います。
薬は密輸だし、処方箋も偽造、やることはたいがい犯罪ですが、
その中で以前は嫌っていたゲイに対する差別に怒りを覚えたり、
AZT製薬会社、それを認可した機関や病院、医師に怒り、立ち向かうのです。
インタビューでマシュー・マコノヒーがこの映画を
「信じられないくらい人間臭いのに、感傷的な感じが全くない」と言ったように、
不治の病で死んで涙を誘う話ではなく、
病気に侵されながらも自由の為に戦い、生きた物語でした。
マシュー・マコノヒー以外に、トランスジェンダー・クイーンの
助演男優賞を受賞しています。
女性的でもある仕草や口調、弱い部分ですら魅力的で
本当、性別を超えて美しかったです。
パンフレット中でレイヨンを「堕天使」と表現してましたが、
ぴったりだと思いました。